破天荒フェニックス[書評]

以前から友人に、非常に面白いと勧められていたものの、なんとなく拒絶反応が出て手にとっていなかった破天荒フェニックスですが、この度読んでみました。

そしたら、、めちゃくそ面白かったです。

普通に面白いビジネス小説だった

話の内容は、倒産間近のメガネ屋「オンデーズ」を主人公であるデザイン会社の社長、著者である田中さんが買収し、立て直していくというもの。

オンデーズ、昔いた会社で別の人間が担当していたことがあり、その存在は知ってました。

オンデーズ

そのときは立て直した後、だったのでお洒落なメガネ屋という印象しかなかったのですが、その数年前はとてもそんな状況ではなかった、というのだから驚きます。

話として面白いのは、デザイン会社の経営者ということで、経営の知識と経験はあるものの、まだまだ未熟な若手経営者である田中さんと、元銀行マンの奥野さんという2人が、まったく文化もビジネスも異なるメガネ業界に飛び込み、常に苦境に立たされながらもギリギリのラインで前進していくところです。

まさに逆境。財務状況が悪すぎて金融機関から新たな資金調達をすることができず、古参の社員からは白い目で見られ、外部からは裏切られと、凡人なら心が一瞬で折れてしまう状況で、熱意と泥臭い行動と冷静な判断で、徐々に挽回していく姿はまさに圧巻でした。

いや、本当にまだピンチが続くのかと、本当にノンフィクションなのかと思うくらい倒産と隣合わせのギリギリの戦いが続くのですが、そこからの挽回は下町ロケットなどでも感じた、爽快感がありますね。

下町ロケット、WowWowのドラマ版しか見たことないけど。

新たなチャレンジが上手くいったときは、よっしゃ!と読みながら思わずガッツポーズをしてしまいましたよ笑

環境を変えるのは常に自分だ

田中社長が改革を進めるにあたって、徐々にキーマンとなるような登場人物が増えていきます。

良い方向へと変えるアイディアがあるのに燻っている社員や、海外に挑戦したくてずっと悔しい思いをしていた社員など、そうした人物を田中さんはどんどん起用し、任せていきます。

結局のところ、ここで名前が上がってくる人物は、自分の仕事に誇りを持ち、自分でこの会社を変えていきたいと熱い気持ちを持っている人たちだったように思います。

会社に滅私奉公するなんて、という時代になってきてはいますが、やっぱりこの本で出てくる人たちはみんな、ヒーローでありヒロインであり、自己実現しているように思うんですよね。

あとは田中社長が、時には失敗することもあるものの、根幹には人を最も重要なファクターと位置づけ、譲らなかったところも勉強になります。

人を大事にするからこそ、人に任せ、人が集まってくる。そして、破天荒(笑)な決断をして、みんなを驚かせながらも引っ張っていく。

僕はキングダムが大好きなのですが、中でも主人公の信が「俺が先頭を走るから、みんなが走れるんだろうが!!」って言うシーンがあって、まさにこの本の中の田中社長に当てはまると感じました。

ギリギリで余裕など全くなく、藁にもすがる思いで前へと進まなければいけないとき、社長がリスクを取りながらも皆を引っ張っていく。まさにリーダーのあるべき姿なのだろうなぁと思います。

マジで勉強させてもらいました。最近読んだ本の中では、相当のあたりでした。

まとめ

メガネ、実は買おうと思ってましたが、こりゃオンデーズで買いますわ笑

たまにはこういう小説を読むと、エネルギーをチャージできていいですね。

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