分断した世界 逆転するグローバリズムの行方[書評]

今年リリースされた高城剛さんの新刊を今更ながら見つけたので、早速買って読んでみました。近々、今年読んで最も面白かった「ホモサピエンス全史」もブログでアップする予定なのですが、それとリンクするような内容の本でした。

僕は高城剛さんの発信するコンテンツが大好きで、世界を巡って、嘘か本当かわからない事柄を色々をアップしているのですが、どれも見たり聞いたりする度にワクワクします。

高城さんの言う、いつも何をしているのかわからないおじさんになるのが、当面の夢だったりするのですが、そんな高城さんが近代史をまとめた本を書いたというわけで、これが面白くないわけがない、ということで買ってすぐに読み切ってしまいました。

資本主義と国家の終わりか

内容としては、2部構成のうちの前半という位置付けである本書。前半が直近30年くらいを振り返り、どうして今の社会構造になっているのか、今何が起きているのかを、世界を巡ってインタビューを行ってきた高城さんが整理しています。

話の内容は、主にアメリカ・中国経済や、EUの現状についての内容がほぼ占めている感じです。これを読むと、日常で発信されているニュースが、いかに表面上のことにしか触れていないかがよくわかります。

ベルリンの壁の崩壊、バブルの到来と終焉、そして誕生したトランプ政権、ヨーロッパの移民問題、、あたり前ですが、それぞれの事象は単独で自然発生したわけではなく、きっかけとなる出来事があり、それがずっと連鎖しながら紐付いてきます。

結果的には、資本主義の限界、国家を維持するためのシステムの破綻など、いつ崩壊するかわからない状態で世界が推移していることがわかり、そのリスクを切り離すために「分断」が進みつつあることが、この本を読むことでわかります。

分断とはすなわち、裕福な人間は裕福な生活が守られるためのコミュニティを構築し、リスクとなる下層に位置する人々を切り離します。これまでは、経済的な余裕があったことから守られてきたセーフティネットも、財政的に厳しい先進国においても、維持できなくなりつつあります。

いや、本当にこれを読むと、今後10年以内に何か大きな変革が起きるのではないかと、戦々恐々とします。それは、悪い方向の変革です。

トランプ大統領が誕生した背景には、一見華やかに見えるアメリカ経済に占める、多くの貧困層の支持が大きかったという意見はよく目にします。そしてこれは、今後日本においても十分起こりうる事であり、日本経済が貧しくなればなるほど、変革を求める声は大きくなるでしょう。

しかし、本の中にも書いてありますが、本来もっと政治に目を向けなければいけず、それこそフランスのように暴動が起きている現状の中で、本当に日本の若者は立ち上がるのか。何故なら、例え生活が苦しくても、スマートフォンとそこそこの娯楽があれば、満足できてしまうからです。

そんなバーチャルな情報に現を抜かしているうちに、茹でガエルの如く、気がついたら後に戻れないほど事態が悪化していることにもなりかねません。

だからこそ、政治にアンテナを張り、自分はどうしていきたいのかを考え、それに向けて着々と実行していかなければいけない。

まとめ

ネットが発達したことで、人類は繋がり、より多くの情報を手に入れることができるようになりました。

個人的には、世間を正しく評価できる手段が手に入り、より人類がアップデートされたように感じるのですが、実のところ、必ずしもそうではなく、娯楽やどうでもいい情報に振り回され、本当に大切な情報を目の前にしたときに、動けなくなってしまっているのではないか、とも思います。

高城さんのこの本は、非常に面白く、あまりにも内容が濃厚なため、何回か読み直し、しっかりと現実を把握できるようにしていきたいと思います。

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