[NHKオンデマンド]末期がんの”看取り医師”-死までの450日

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久々にすごいドキュメンタリーを見たので、ブログとして残しておきたく、急遽書くことにしました。

見たのはNHKで2017年に放送された「末期がんの”看取り医師”-死までの450日」という番組です。

ドキュメンタリーになるのですが、医師であり住職でもある田中さんという方が、末期がんにかかり、衰弱し、亡くなり、お葬式から火葬の場面まで全て撮影して流す、というかなり大胆な内容でした。

亡くなったお顔も出てきますし、火葬の骨まで出てきます。すごく踏み込んだ番組でした。

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死を隠蔽する社会

先日、たまたま僕が普段よく読んでいるブログであるBooks&Appsさんで、こんな記事が上げられていた。

死体画像のない戦争報道について思う
戦争の情報 これを書いている現在、国家間戦争が行われている。ロシアとウクライナがある。 これを書いている時点では、その終わりは見えていない。このさきどうなるかわからない。   それでも、戦争についての報道は洪水…

われわれ日本人が、日本のテレビの日本のニュースでそういう映像を見ることは、まずないといっていい。

外傷が見られない子供の治療、そして死亡の映像は流れるが(なんて悲惨なことだろう)、もしもその子がひどい外傷を負って血まみれで肉や内臓が露出していたら、決して放送はされないか、より大きなモザイクがかかっていたことだろう。

これは戦争に関する話ではありますが、それよりももっと身近にある死。3人に1人がかかると言われるがんによる死も、普段は目にする機会などない。死があまりにも非日常すぎる。

探しに行けばあるかも、とは思うものの、探しても実際の衰弱する様子や、ましてや火葬して骨になるシーンまで映している番組はそうそうない。

そういった意味では、NHKの本気とも言える番組だと思います。

答えのない、非合理的でままならない世の中

番組内では、末期がんで衰弱する医師であり僧侶である、看取りのプロと紹介された田中さんと、同じく医師であり僧侶である奥さんが運営する病院で話が進んでいきます。

番組の冒頭では、意識がしっかりして、がん患者と向き合う会を主催する田中さんの様子が映し出されるのですが、次第に衰弱していき、まともに思考できなくなり、何もできなくなっていく様子がありのままに映像に残されています。

それはあまりにも残酷であり、多分見た人の9割くらいはショックを受けるような内容だと思います。僕もかなり感情を揺さぶられましたし、レビューを見ていると、最後まで見れなかったというような声も見ました。

それくらい死というのは、僕らにとっては非日常であり、しかし誰しもが通る可能性のある未来です。

最後、奥さんから治療を受けながら、弱り、亡くなるのですが、これを観た最初の感想としては、世の中とはなんとままならないのだろう、ということでした。

看取りのプロとして、客観的に人の死に立ちあってきた人も、最期は自分の思いとおりの思考すらできなくなり、不安や痛みに苦しみ、死んでいく。あまりにも無情だなと。

評価をしない、ありのままを受け入れる

おそらくこの番組を観た人には色々な感情が生まれると思いますが、結構な確率で拒否反応が出ると思います。あまりにも生生しく死が映し出されるからです。

実際、Yahooテレビのコメントを見てみると、最初びっくりしたのですが、かなりの数の批判的なコメントが投稿されていました。

奥さんの延命治療は本人が望んでいなかったのになんでやったのかとか、こんな死に関するリアルな番組望んでいないし見てて不快になったとか、なんて番組作ってくれたんだ的なコメントが多かったんですよね。

かなり賛否の分かれる番組だったのだと思います。決して万人受けする番組ではない。でも、このテーマは決して珍しい話ではないし、この話から何を感じ取るかが大事だなと思いました。

僕としては、人生はあまりにもままならず、評価せず、ありのままを受け入れる覚悟というのが、時には必要なのだと思いました。

ただ、ままならない世の中でも、一つだけ確実だなと思うことは、社会と繋がり、人と繋がることは何においても大事だな、ということです。

番組でもまだ意識がはっきりしている時の田中さんが言っていましたが、誰かに話を聞いてもらえるというのは幸せなことだというコメントがありました。

田中さんの苦しみは感情を揺さぶりましたが、しかし同時に、奥さんや家族や、周りの人との繋がりに豊かさを感じました。

これが誰も周りにおらず、他人である病院のスタッフに介護されるだけの最期がいかに虚しいか。最後、それまで気丈に振る舞っていて、なんと強いのかと思っていた奥さんが、葬式の後に取り乱し、泣き崩れて立てないシーンで衝撃を受け、号泣しました。そうした愛情を注いでくれる人がいることの大切さをとみに感じますし、人生で真に大事なものを教わった気がしました。

だからこそYahooコメントにあった対応内容を批判し、嫌悪感を示して終わるだけのコメントに非常に勿体なさを感じましたし、正直ちょっと感情的になってしまいました。そこじゃないし、自分が受ける対応が常に最良のものであり、最良の結果をもたらす保証などどこにもありません。

このテーマの中で大事なのはそこではないのでは、と感じました。そんなに人生というのはコントローラブルなものではありません。

先日読んでいたアガサ・クリスティー賞大賞受賞作である「同志少女よ、敵を撃て」の話の中にこんなセリフがあります。

「ま、戦争の本質が達人同志のチェスのように進行するのはほんの一部でね。あとは概ね、ひどいミスをした方が、よりひどいミスをした方に勝つものなのさ」

振り返ってみれば、自分もミスを繰り返してきた人生のように思います。案外その程度で考えておいた方がいいのかもしれません。だからこその受け入れる度量が必要なのかもしれない。

まとめ

僕はテレビというと、NHKオンデマンドしか観ません。理由としては飾らない、質の高い番組が多いと感じるし、僕にとって観る価値があると思う局がNHKくらいしかないからです。

Amazonプライム経由でNHKオンデマンドを契約していて、そこで観ましたが、それ以外に衝撃を受けたのは「映像の世紀」シリーズや「カラーで見る太平洋戦争」です。ぜひ観てみてください。

ちょっと自分が観た感想をしっかり言語化しておきたいと思い、メモがてら書かせていただきました。

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